《SV訓練審査員最終試験》
昨年(2009年)の10月、ヨーロッパ滞在中に旧知の友人、スロベニア・
ドイツシェパード犬協会の会長、ハリーが、「SV審査員試験の進み具合
はどうだ?」と聞いてきた。「8月から10月までのヨーロッパ滞在2ヶ月
半の間に、ドイツで3回(計5回目)の試験に合格したから、あとはSV訓
練部長ディーゲル氏による最終試験(6回目)だけだ」と答えた。(最終
試験を受験するには、筆記試験と審査員適性試験の合格後、3年以内に異
なるSV審査員で5回の試験合格が必要)。
最終試験の受験方法はディーゲル氏が審査をする訓練試験を見つけて受験
するのだが、「私とディーゲル氏の予定がかみ合わない」と説明すると、
ハリーが、「いい考えがある!2010年2月6日、7日の土日にディーゲル
氏がスロベニアに来て審査員セミナーをする。前日の金曜日に俺のクラブ
で、ディーゲル氏を審査員として、訓練試験をするように申請するからス
ロベニアに来いよ」。ディーゲル氏とSV本部に問い合わせると、その訓
練試験を最終試験として認められた。
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訓練試験終了後、クラブハウスにて
右からハリー、ディーゲル、防衛ヘルパー、益田
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訓練試験は金曜日に行われたので、SV訓練試験規定に従い5頭が受験した(審査員が1日に審査できるのは土、日、祝日は10頭まで。金
曜日は午後から5頭まで)。最終試験とは、私の審査と挙動を、ディーゲル試験官が常に背後から審査するというもの。一頭の1課目(追
求、服従、防衛)の審査が終わるごとに、ディーゲル試験官に、自分の審査の評価と得点と何故そうなのかを素早く報告する。ディーゲ
ル試験官の審査内容と比較して間違いがなければ、講評することを許される。そして、試験中のあらゆる重要ポイントで「次に審査員が
すべきことは何ですか」と質問され、それに答えなくてはいけない。とまあ、こんな具合である。
訓練試験が終了して表彰式のときに、ディーゲル氏が「益田はSV訓練審査員試験の全課程を修了し、本日の最終試験も合格しました。新
しいSV審査員がアジアから誕生しました」と、スピーチすると、ハリーをはじめ、訓練試験に参加してくれた皆は自分のことのように喜
んでくれた。
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